減震、制震システム
2009年 11月 21日
私たちが作る建物は筋交いと構造用合板を使った耐震工法がオーソドックス。
建築基準法での倍率を基に等級を設定し、それをクリアーさせているのが一般的な手法だ。
震度6から7の大きな地震が来た時、耐震工法では最初の大きな揺れには耐えると思うが、2回目以降の余震に対してはどうであろうか。法規制上もその考え方が見えづらいのが現状である。
耐震は構造体そのものの強度で地震にグッと耐える工法。
免震は、地面から建物を離し、揺れを建物に伝えない工法。
この二つの工法は、構造計算も成り立ち、耐震、免震というカテゴリーとして確立されている。
ただ、免震工法はまだ高価で、新車1台分以上は費用がかかる。もっと安価に装備出来れば満足度と安心感は高まり、普及も加速するだろう。
去年施工したわが社の青葉町のドミノモデルハウスでは、「滑りシート」を基礎の下に敷きこんだ簡易的な免震システム、「減震住宅」にトライしている。
大きな地震が来た場合、建物は「ツルツルの下敷き」の上に乗っているため、滑り効果で揺れを軽減する。
大事な人命と建物を守ることが最優先、免震工法よりはずっと安価でほど良い工法のひとつではないかと思う。
耐震工法と、免震工法、
実はその中間にもひとつ工法がある。それは制震工法である。
この分野は告示も出されていないことから、公の地位があいまい、
まだ新築では構造計算にカウントができない。
しかし実際には限界耐力計算による検討は可能でそれなりの効果があるようだ。
東海地震のtoukai-oプロジェクトの助成金対象工法にも指定されていたりもする。
コストパフォーマンスの面から見ても、この工法にも魅力がある。
木造の住宅建築では、筋交いを用いた耐震工法は1回目の強い地震には耐えるが、大きな地震の後、何度も余震に襲われるとすると、その後の強度が維持できない場合がある。
その耐震工法の弱点をカバーしているのが制震工法で、建物の揺れを最初から吸収し軽減するため、耐震工法よりも「余震」という繰り返す揺れに対しての効果にアドバンテージが期待されるところが訴求ポイント。
(他社の施工例)
もっと日本の住まいづくりにおいては、地震対策にもっと力を入れるべきで、より真剣になるべきではないかと思っている。
そんな中、名古屋から制震装置の開発販売をしている、トキワシステムさんが商品紹介に見えた。
トキワさんは自動車のミッション系回転軸のインライン計測装置の設計・開発メーカー、実験装置や解析ソフトの開発が元からの会社。
耐震等級2で計画している実際の案件でも検討してみた。限界耐力計算では、さらに制震装置を付加する。1階のみ24か所のダンパーを1階に取り付けが必要と出た。
(他社施工例)
個人的には、建物を安心して長く住んでもらえるようにしたいので、こういった装置も積極的に検討して取り入れる必要があると思っている。
# by sekkeibu | 2009-11-21 15:30 | りきいし