鉄板の樋
2009年 10月 13日
前は、防衛庁があった場所。
中の店舗をめぐってみる。センス良い店が連なる。
うーん、高級感あふれる、が本当にここで買い物をする方はどれほどいるんだろうか。
出店料ももちろん高そう・・なんて、ついつい庶民的目線で考えたりしてしまう・・
が、そんなこと、この界隈の方たちには余計な心配だろう。
進むと美しい芝生が広がる中庭がある、。外人の子供たちが多く遊んでいた。
日本人の子供たちもちゃんとヘアスタイルが決まっていてナイスな感じのキッズたちが目につく。
見渡すと左手に、21_21 DESIGN SIGHTが見えてくる。
ディレクターには、デザイナーの三宅一生氏、佐藤 卓氏、深澤直人氏が就任、アソシエイトディレクターはデザインジャーナリストの川上典李子氏。創作の現場に詳しい彼らが、「ただ消費するばかりでなく、つくることの大事さをもう一度考えよう」というこてで、参画、協働されている。
(ちなみに、トゥーワン トゥーワン デザインサイトと読む)
そして、施設の設計を手がけたのは、ご存じ建築家の安藤忠雄氏と日建設計。2006年、青山の表道にあつた「同潤会青山アパート」が竣工した翌年の作品だ。
かつて、1988年に開かれたニューヨークで開かれたイサムノグチ展で、三宅、ノグチ、安藤のご仁が顔を合わせた時、、「まだわが国にはデザインのための専門施設がない」 ことを語り共感し合ったそうだ。
その年にノグチ氏がなくなってしまうが、その意思を継いぎ、この施設は開業を迎えることができたとのこと。
三宅氏が衣服で取り組んできた「一枚の布」の考え方を元に、屋根は「厚さ16ミリの一枚の鉄板」を折り曲げて?つくった。屋根の全長はなんと54m。日本の高い技術力だからこそ成し遂げられたと言っても過言ではない。
細部にわたるディテールもさることながら、自然光の当たり方、(照明器具ではなく明りそのものの演出)まで、非常に良くデザインされている。
屋根には遠目に見ると雨樋がない気が・・ しかし、近づくとなにやら一筋の帯が・・
おー、鉄板の樋だ。なるほど、これが鉄板を折って造った巨大なシームレス樋。
仕上がりも美しい。
やっぱり、一流は違う。
# by sekkeibu | 2009-10-13 19:56 | りきいし